
赤ちゃんの睡眠が安定するかどうかは、スケジュール以前に「体内時計」と「睡眠ホルモン」の理解が欠かせません。
ジーナ式の考え方をベースに、赤ちゃんの体内時計(概日リズム)と睡眠ホルモン・メラトニンの仕組みを整理します。
なぜ低月齢から環境づくりが重要なのか、完全遮光や睡眠環境がなぜ先に必要なのかを、相談経験をもとに解説します。
本記事では、赤ちゃんの睡眠リズムを支える「体内時計(概日リズム)」と、睡眠ホルモンである「メラトニン」の働きについて整理します。
- なぜ光が睡眠に大きく影響するのか
- なぜ「3ヶ月から」では遅い場合があるのか
- ジーナ式が早期から環境を整える理由
これらをつなげて理解することで、完全遮光や睡眠環境の記事が「なぜ必要なのか」が腑に落ちる構成になっています。
赤ちゃんの睡眠と「体内時計」
体内時計(概日リズム)とは、約24時間周期で
- 睡眠・覚醒
- 体温調整
- 血圧
- ホルモン分泌
を調整する仕組みのことです。
赤ちゃんは、生まれたときから完成した体内時計を持っているわけではありません。
体内時計は、光と暗闇の繰り返しによって、少しずつ作られていきます。
睡眠ホルモン「メラトニン」とは
メラトニンは、「睡眠ホルモン」「ねんねスイッチ」のようなホルモンで、睡りを促す働きがあります。これは、生まれた瞬間から安定して分泌されるわけではありません。
メラトニンは、同じタイミングで分泌されることで、体内時計(概日リズム)を形づくる役割を持っています。
暗い環境でしっかりメラトニンが分泌される経験を積み重ねることで、「夜は眠る」「昼は起きる」というリズムが体に刻まれていきます。
よく「3ヶ月から体内時計が整う」と言われますが、これは「準備開始の時期」ではなく、“結果が観察できる時期”であることに注意が必要です。
メラトニンは「暗くなることで」分泌される
メラトニンが分泌されるためのスイッチは「暗さ」です。
目に光が入らない状態、皮膚に光が当たらない状態になると脳は「寝る時間だ」と判断し、メラトニンの分泌を始めます。
反対に、
- カーテンの隙間からの光
- 常夜灯
- 電子機器のランプ
- 早朝の薄明かり
といったわずかな光でも、メラトニンの分泌は抑制されてしまいます。
赤ちゃんは「光」の影響を受けやすい
特に赤ちゃんは、大人と比べて光に対する感受性がとても高いとされています。
そのため、
大人:「暗い部屋」に見える
赤ちゃん:「眠るには明るい環境」
ということが起こりやすいのです。
その結果、
✔︎寝つきが悪い
✔︎早朝に目を覚ましやすい
✔︎再入眠が難しい
といった問題につながりやすくなります。
月齢ごと|体内時計とメラトニンの発達
メラトニン分泌と体内時計の発達を、時期ごとに整理すると次のようになります。
・新生児期
分泌は不安定
・生後1ヶ月半〜2ヶ月
分泌が始まる
・生後3ヶ月頃
安定して分泌される子が増えてくる
よく「3ヶ月から体内時計が整う」と言われますが、これは「準備開始の時期」ではなく、『結果が観察できる時期』であることに注意が必要です。
いつから昼寝も遮光環境?
「いつからお昼寝も遮光環境にしたらいいですか?」という質問を、とてもよく受けます。
これは、ジーナ式と一般的なねんね育児本で推奨されている時期が異なるために生まれる疑問だと思います。
ここでは、それぞれの「理由」を整理して考えてみましょう。
ジーナ式の場合
ジーナ式では「何ヶ月から遮光」といった月齢指定の明記していません。
ジーナが重視しているのは、月齢ではなく「目的」をです。
- 起きている時間と寝ている時間の違いを、環境でわかるようにすること
- 明るい部屋での昼寝は「うたた寝」の原因になるので避けること
- 寝た時と起きた時の環境を一致させること
これらの理由から「早期からの遮光環境」を推奨されています
ただし、ここでいう「早期」とは
❌何ヶ月から
⭕️スケジュールを意識し始めた時から
という意味合いだと考えられます。
実際、4週目以降のスケジュールでは昼寝は「寝室で行う」前提になっています。
他の文献の場合
他の文献ではなぜ「3ヶ月頃から」と書かれるのでしょうか。
考えられる理由は次の2つ
- 体内時計・メラトニンは「安定して観察できる時期」が3ヶ月頃
- 研究・文献として「再現性があり、言い切れるライン」が3ヶ月
そのため育児書や文献では「3ヶ月頃から体内時計が整い始めるからこのくらいから昼も遮光環境でねんね」と書かれることが多くあります。
結論|いつから遮光環境を整えるべきか
ジーナ式
結果が出てから整えるのではなく、結果が出る前に、環境を先に整える設計。
他の文献
結果が「安定して観察できる時期」を基準に月齢目安を設定している。
この違いを踏まえたうえで、私の考えは次のとおりです。

生後1ヶ月半ごろからの遮光環境でのお昼寝
メラトニンの分泌は、早ければ生後1ヶ月半頃から始まるとされています。
そのため、「3ヶ月から遮光すればいい」という考え方では、すでにリズムが崩れ始めたあとに調整する形になってしまう可能性があります。
また、実際の相談経験から見ても、ジーナ式のスケジュールを無理なく始められる子は、1ヶ月半前後で条件が整ってくるケースが多いと感じています。
こうした点を踏まえて、私は生後1ヶ月半頃からの遮光環境づくりをおすすめしています。
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さいごに
赤ちゃんの睡眠が安定するかどうかは、「何時に寝かせるか」「どれくらい飲ませるか」以前に、体内時計と睡眠ホルモンが正しく働ける環境が整っているかどうかに大きく左右されます。
ジーナ式=完全遮光を目にする機会が非常に多いのも、これらが理由です。
本記事で整理した体内時計とメラトニンの仕組みを理解したうえで、赤ちゃんの体が自然に眠れる流れをつくるための一歩として、まずは“光”と“環境”から整えてみましょう。
KANA

◼️ジーナ・フォード「カリスマ・ナニーが教える 赤ちゃんとおかあさんの快眠講座」,朝日新聞出版,2020/1/20
◼️Gine Ford「The Complete Sleep Guide For Contented Babies & Toddlers 」,Ebury Digital,2012/3/31
◼️三池輝久「赤ちゃんと体内時計 ー 胎児期から始まるリズムの話」,集英社,2011/6/17
◼️愛波あや「ママと赤ちゃんのぐっすり本 ― 眠りのリズムを整える」主婦の友社、2016/2/16
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